農学部附属菌類きのこ遺伝資源センター(FMRC)は、令和4年度よりナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)中核的拠点整備プログラムに参画しました。

FMRCは、NBRPきのこリソースの中核拠点として、きのこ菌株の収集・保存・提供を行っていくとともに、保有する菌株資源が広く活用されるための環境・情報整備に取り組みます。

また、積極的なアウトリーチ活動や菌株の高付加価値化のためのゲノム情報の収集、きのこ菌株の安定的保存法に関するワークショップの開催等により、ユーザーの利便性向上を図ります。

TUFCコレクションについて

FMRCでは、センターのこれまでの研究・教育活動の中で収集してきた菌株および外部から寄託されたきのこ菌株にTUFC(Tottori University Fungal Culture)番号を付与し、菌株の分離源の証拠となるきのこ標本(乾燥標本)はTUMH(Tottori University Mycological Herbarium)番号を付して、センターのハーバリウムで保管しています。

TUFCコレクションは、コウヤクタケ類、サルノコシカケ類、キクラゲ類などの木材腐朽性の国産野生きのこ株が中心ですが、マツタケを代表とする菌根性のハラタケ類も多数取り揃えています。これらは採集日や同定者といった情報が明確な菌株で構成される日本最大級のきのこ菌株コレクションです。

TUFC菌株を研究、教育や産業に広く活用していただくため、菌株評価が完了した一部の菌株を公開し、有償で提供しております。なお、分譲した菌株は、学術研究および研究開発を目的として使用することができます。

公開株数

2024年3月末時点

  担子菌 子嚢菌 その他 合計
2022年度 1,930 88 2,023
2023年度 2,031 91 2,125

提供株数(件数)

2024年3月末時点

  学外分譲 学内分譲 合計
2022年度 41(19) 167(17) 207(36)
2023年度 77(18) 68(17) 145(35)

ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)は、バイオリソースの質の向上を目指し、ゲノム情報等の解析、保存技術等の開発によるバイオリソースの付加価値向上により時代の要請に応えたバイオリソースの整備を行うものです。